「2016・ロク」


  申年の正月があけ、七草がゆの7日に仕事始めとして愛宕山を訪問した。休息と称して寝正月を決め込み、体も鈍っていたので初詣を兼ねた愛宕山はちょうどいい案配だった。

神社をぬけ、海岸斜面を見下ろすと「ロク」がこちらを見上げていた。昨年のクリスマス寒波に一気に積雪が増えた脇野沢は、正月明けまで40~50センチで推移していた。月が変わった2月は70センチ前後だが、今冬は不思議な雪の降り方だった。

気温はそれほど寒くなかったが、今冬は不思議な雪の降り方が続いている。 昨秋に愛宕山に復帰したロクは、そのまま常駐を決め込んで年末年始を愛宕山で過ごしていた。我家も含めて愛宕山の周辺にもおりず、主のようにいずっぱりだった。

怪我をした右前脚は曲がったままだが、日常生活には影響がないようだ。歩き方はバランスを崩しながらだが、本人は、見た目ほど不自由はないようだ。ただ右下顎の2番目の門歯が1本抜けた。06年生まれの今年10才のロクだが、少し老齢化の兆しがあるのかなと思う。



 ロクの行動域は愛宕山~瀬野集落周辺〜中学校背後の山林だが、冬期は大半を愛宕山周辺で過ごしている。この山は地元では「デンデラ山」と呼ばれ、脇野沢にある脇澤寺(きょうたくじ)の山で、そこが禅寺でもあって、そこから訛って「デンデラ山」となったのである。

伐採されたのは一部だが、我家の裏の窓から伐採された斜面が見える。ロクが生まれた年はデンデラ山の奥のスギが伐採され、そのおかげで見通しの良い伐開地をあるく母親「ナナ」に連れられたロクを見つけることが出来た。

スギが伐採されると日当りがよくなって下草が繁茂し、草食動物のカモシカにとっては絶好の餌場となるのである。ロクの観察が密に出来たのも伐開地が数年続いたからで、成長の様子やナワバリの変化等も記録出来たのである。



 つまり春以降、今こうやってパソコンを打っている時でも窓越しにロクを観察することが出来るかも知れないのである。芝生を横切って玄関の「イチイ」を採食するロク、道路を歩くロク、そこに窓越しの伐開地で採食するロク・・。

想像に想像が加わってロクの写真が増える一方である。しかし、伐開地では他のカモシカも当然のように集まってくるだろうから、彼らの競合は厳しくなるだろう。

息子の「T-13」とのバトル再現もあるかも知れない。2016年のロクにはどんな運命が待っているのだろう。


いそやまたかゆき

2016.02