「北限に生きる~ニホンザル・24年目の絆~」
左からスズランとカキラン(97年5月)


 今月は番組宣伝になります。一年前から脇野沢に生息するA2-84群を取材し続け、先頃クランクアップしました。今ちょうど編集の真っ最中です。

 この群れは1984年に群れとして完成し、これまで活動を続けてきました。発足当初の群れ頭数は21頭。1992年の申年の前年にフジテレビがこの群れを一年間取材し、翌年の正月番組として放送しました。

それから24年が経ちました。
その間、さまざまなことが群れの周りでおき、群れが分裂し、離散し、「追い上げ」「電気柵」「捕獲」「モンキードッグ」など、北限のサルたちとのさまざまな共存柵も模索されています。現在の群れの状況は、群れが3つに分かれ、行動域もそれぞれの場所で生活しています。

雪のなかのスズラン(98年2月)

  24年前に生まれた「スズラン」「カキラン」と名付けられた2頭の雌がいます。母親はそれぞれ「スズシロ、「カキ」です。父親は分かりませんが、スズランは「シャチ」、カキランは「カナガシラ」と推定しています。「スズシロ」の母親は「ツツジ」で当時の群れのαメスです。シャチの相方でもあります。

そんな構成で群れは進化を続け、ツツジは93年に生まれた「モミジ」という末娘にαメスの座を譲って他界。モミジは相方に「ハモ」という体格のいいオスを選んで、その後群れが分裂して、激動の時代を迎えました。
 いろいろな名前のサルが出てきますが、24年間というとニホンザルの寿命であり、さまざまなことが起きて当たり前です。

サルたちは、サルたちが入れ替わり立ち替わり自分の居場所をつくりながら、自分の群れのなかで生活してきました。そんなサルたちの歴史を番組にしたわけです。
 その歴史を記録してきた私は、友人でもあるテレビカメラマンとタッグを組んで、「老体むち打って」山通いを続けてきました。昔と違って、一度群れを追って山にあがり、サルたちが立ち去ったあとだと、その日はもう終わりでした。


雪のなかのカキラン(94年1月)

サルたちの寿命期間でもある24年間は、人間にとっても相当部品が劣化し、体力も下がりました。充電より放電の方がはるかにはやく、取材の苦労話には苦労しません。

 詳しい話は番組で確かめていただければと思います。列挙したサルたちも何度も画面に登場してきます。そしてかれらの24年間が、「世界で最も北にすむサル」たちの歴史の一部もみえてくるのではと思っています。

 都内では14日から、地下鉄(日比谷線六本木駅中央ボード、大江戸線ドア)や新幹線東京駅電飾看板で番組案内のポスターが掲示されるとのことです。 

 少し早めですが、良いお年をお迎えください。


いそやまたかゆき

2015.12