牛ノ首物語7・「牛ノ首岬案内」

 
 下北半島は別名まさかり半島と呼ばれる。むつ市街から野辺地まで南北に延びる細長い地形が柄、太平洋に面した尻屋崎から本州最北端の大間岬、そして南に直線的に延びる海岸線が刃にあたり、むつ市までが鉄部の斧。その刃の南端に脇野沢の牛ノ首岬は突き出ている。鉞は、童謡「マサカリカツイデ金太郎♪♪・・」で知られているが、薪暖房を利用するこの地では薪割りに欠かせない道具のひとつで、自然豊かな下北半島との密接な繋がりを感じる。牛ノ首岬は標高80m、面積25ha。山というより丘陵の印象。名前の由来は海からの見た地形が「牛が座っている姿」に見えるところから。沖合に浮かぶ「鯛島」は牛ノ首岬の相棒的存在で、独特な風景をつくりだす。昔は畑地が点在していたが1995年、駐車場と自然散策路が整備されて「牛ノ首農村公園」としてデビューした。脇野沢漁港から車で5分、徒歩でも20分。身近な野外博物館として来訪者にも歩き易い場所になった。牛ノ首岬を少し歩いてみよう。駐車場から劇場を思わせるステージ横の階段を登ると正面にスギ林が見えてくる。サルたちが年間通して寝場所に使う。カモシカは、夏は暑さを凌ぎ、冬は強い北風を避ける休息場所に利用する。歩道が左右に分かれ、右側の階段を登るとすぐ休憩所がみえ、むつ湾に浮かぶ鯛島が一望出来る。ここまで5分程度。歩道を頂上に向かうと途中にベンチがある。この場所はカモシカやサルが移動するルートと重なる交差点になっている。周りは雑木林と針葉樹が混ざり、野鳥の飛翔も多く、時間をかけて待っていると時々カモシカが通過してゆく。休憩後、ゆっくり歩いて10分程度で頂上。小さな小屋が建っている見晴らしの良い場所。山歩きしで海が望める不思議な風景で、ここでしばらく動かず定点観察をお薦めする。散策コースはここで半分。

 
 海側のスギ林の中に歩道が見え、下って行くと10分程で新井田集落に下りる。お急ぎの方にはお薦めコースだが、スギ林内の見通しが悪く、動物との遭遇も少ない。また駐車場と反対側に下りるので要注意。一方、頂上を反時計方向にまわるように歩道をすすむと雑木林に入る。こあたりは見通しも良く、四季の変化が楽しめ、動物との出会いも多い。山歩き自体を楽しめるコースでもある。帰路は細い歩道がいくつか分岐しているので、順路を確かめながらゆっくり歩くこと。最後の駐車場に下る階段は急なので、足下を確かめながら慎重に下りること。事故は下る時に多く発生する。ざっと所要時間は1時間程度。牛ノ首岬は、春は新緑と山野草、夏は海風が心地よく、秋は山の彩り、冬は足跡追跡のアニマルトラック、カンジキを使った雪歩きなど通年楽しめる場所。