「ツール・ド・下北3」

 
 夏のおわりに自転車ツーリングの総括をするつもりで青森市から脇野沢まで144.5kmを走った。むつ湾は下北半島を反転したような形をしているので、半島を一
周した気持ちにもなる。コースは、国道4号~国道279号~国道338号を走り継ぐ峠なしの平坦道路。前日、津軽半島の蟹田までフェリーで渡って青森市までの26kmを走って前泊。翌朝、午前7時に出発。ほぼ無風、最高気温24度という絶好のコンディションに恵まれた。国道4号の野辺地までは大型トラックを含めて通行車両が多く、所々に歩道が整備されているが大半は路側帯を走った。青森~浅虫温泉の栗山トンネルは山手側に広めの歩道が設けられており、騒音はうるさいが安全に抜けることができた。半島の付け根に当たる野辺地町の通過が9時30分。むつ湾を眺めながら走る道路は映画にでも使えそうな、アップダウンが見渡せる直線道路。なかなか面白い走行路。中間地点になる陸奥横浜の「道の駅」到着が11時。青森市から70km、休憩込みの4時間は予定通り。昼食を兼ねた休憩後、右手に風車群を眺めながらひたすら北上。むつ市~脇野沢の国道分岐には12時30分に到着。残ったおにぎりを頬張って水分も補給して1時に出発。残り44kmは見慣れた風景もあってペダリングも軽くなる。中間にあたる川内町通過は2時20分。ここから追い風も手伝ってペースが上がり、17kmを40分で走って脇野沢到着は午後3時。所要時間は休憩込みで8時間。休憩の1時間をさっ引いて7時間で走ったことになり、平均時速20kmの計画通りの完走だった。

 
 今回のツーリングはロードレーサー、背中にディバッグひとつの軽量走行。昔、ランドナーを使って日本を半分ほど縦断した経験と比較すると、今回はスピード自転車の楽しみを満喫させてくれた。とにかく湾岸コースが面白い。つねに海岸を眺め、遠くに山並みを望み、延々と続くフラットな道路は北海道でもそう多くはないだろう。しかし、道路はやはり自動車主体に作られおり、自転車が走る部分への配慮が少ない。
僅かな路側帯に路肩の草が生茂って半分位使えないところが多く、結果的に大型トラックの幅寄せに何度も苦労した。このあたりの話題は先日やって来た、秋田起点の八幡平~八甲田経由で下北半島まで走ってきたアメリカ人サイクラーも同様だった。東北の風景は素晴らしく気持ちの良いコースが多いが、自転車の為の道路整備不足が多く、残念な場所が多かったと喋っていた。
 来年、青森県に新幹線がやってくる。時速300kmの移動速度は魅力的だ。遠い首都圏も近くなる。観光の足も広がりを見せるだろう。ただ途中の美しい風景は細切れになり、車窓の楽しみは半減する。ちょっと目先を変えて、自力でペダルを踏み、風をさわって、潮の香りに包まれ、季節を丸ごと受ける時速20kmを体験するのもなかなか贅沢なこと・・かと思う。むつ湾一周ツーリングは青森県の至極の味を教えてくれた