「自然の帳尻」


 林内にエゾハルゼミの声が聞こえはじめた。森に夏を告げる風物詩でもあるが、今年の季節の巡りは複雑であった。
 青森県は四季が六季に分かれる。まず冬を迎える冬、厳冬期の冬、春を迎える冬。そして春が訪れ、短い夏がやってきて、晩夏が秋。1年の半分が冬である。今年は冬の期間が複雑だった。冬の訪れは師走初旬で、2日間で40センチを超える積雪があった。しかしその後、年末にかけて降雪もなく、ホワイトクリスマスにもならず、年が明けてそのまま雪のない正月。さらに2月後半には雪が消え始め、とうとう雪行事が中止になる始末。さまざま記録的な冬だった。当然、桜開花も早め予想。例年ならGWにぶつかるはずの弘前の桜祭りも関係者は気を揉んでいた。ところが3月後半になっても気温が上がらずいつまでも雪タイヤのまま。平野では雪のない寒い春先が長く続いた。結局、桜GWにぶつかって大にぎわい。


 こうやってまとめてみると冬期間が不安定だった。正月明けからの雪かき回数も記録的な少なさ。我が家も2回か3回。それもサラッとしたもの。過去2カ年続いた一日3回という雪かきはまったくなかった。しかし反面、八甲田の降雪は例年以上で、暖冬のせいで大規模な表層雪崩が発生。スキー客に死傷者がでた。初夏を迎える今、森の様子も何となく変だ。山の桜も葉桜で、開花期間も短かった。桜をひとつのバロメータにするとまず小雪による水不足だったのかと考える。また今冬の気温は高く、その影響もあって、冬にエネルギーを蓄える植物は敏感に反応したのだろうと思う。
 季節の巡りからみるとこれから後半戦。短い夏、初冬の秋を経由して本格的な冬を迎える。森の中で、植物や動物たちはどんな季節を迎えるのか、かれらの物差しを観察しながら、こちらもそれなりに過ごしてゆきたいものである。