「4月を想う」


3月から4月、冬から春、季節の変わり目である。しかし今年は、冬が安定せず、むしろ冬が来ないまま春の息吹が感じられるようになった。とくに今冬の積雪は、昨年12月4日に大雪があって40センチ積もったが、その後はまとまった雪が降らず、最深雪が10センチだった。雪かきは数回やっただけ。
 山の動物たちにとっては楽な冬越しだったろう。牛ノ首のカモシカたちも、いつ観察に行っても姿を見ることがなかった。これは積雪がなく、餌場が楽だったということで、あちこちの下草を食べ歩いていた証拠。また足跡もあまり残らず、すべての部分で冬らしからぬ冬だった。しかしグレーは、2年続いた豪雪で2年ともこどもを失っていたが、今年はじめてこどもを冬越しさせた。これは小雪の異常な冬のおかげかも知れない。サルたちはサルたちで、冬場の生活場所である海岸斜面に張りつかず、内陸部を歩く秋のような行動を繰り返した。また移動距離も長く、一日3km歩くことも珍しくなく、ついてゆくのが大変だった。何が大変かと言うと、暖冬で雪が締まらず、ズルズル滑って歩きにづらいことこの上なかった。


気温が下がると雪が硬くなり、足場がしっかり出来てかなりの急斜面でも上り下りできるのだが、今年は楽しい冬歩きが出来なかった。しかしサルたちは身軽に歩いて行く。やはり森の住人だ。こうなると人間は不便なもので、汗だけをかくことになり、置いてきぼりをくう。
 昨日、雪が消えた山々を歩いてみたが、フキノトウの花盛り。あちこちに春が定着していた。しかし初春の旬はすでに過ぎ、かといって春がしっかり届いているわけでなく、どうもこうも中途半端な年度変わりになった。4月は、やはり冬がびしっとしまり、三寒四温がやってきて、春先にもう一度どか雪が降って、桜の便りにと同時に春の香りが匂ってくる頃合いが、一番。
 桜咲く・・、いろいろな意味で心に留めておきたいものだ。ちなみに脇野沢の開花予想は4月末。今年はどんな桜が咲いてくれるのだろう。