「里のニホンカモシカ」

 

 本来、11月は秋の名残もあり、山の動物たちは恋の季節で華やい

でいる。ところが、今年は11月12日に脇野沢村でも積雪があり、20

日過ぎの連休はあちらこちらで大雪が降り、青森でも観測史上初と

いう積雪を記録した。なんと60センチを越えたという。我が家で

は残暑による二度咲きしたツツジの花に雪がのっかり、なかなか不

思議な風情でありましたが、冬の到来はスピード違反である。

 などと、言っている場合ではないかも知れないが、先月「山を下

りるサル」という話しを書きましたが、今月もそのパート2といっ

たところです。

このコーナーでも何度かニホンカモシカの「ハチノジ」ストーリー

を出していますが、我が家付近で観察すること、今年で11年です。

それも、芝生、玄関、軒先を問わず、身近で姿を見る回数がぐっと

増えました。多いときは週に三度。

 一度、歩くコースをじっくり観察しました。芝生の草むらから登

場してまずサクラの若芽を採食してアジサイに臭い付けをします。

そのあと、我が家の建物の周囲を食べ歩き、一周して洗濯干し場横

の僅かな菜園で採食。玄関先に移動して、またサクラをつまみ、玄

関前の小屋の草むらで本格的な食事としゃれこみ(ここで一枚写真

をパチリ)、その傍らに座り込んで休息と反すうを始めました。ち

なみに、反すうと言うのは、食べたものを胃から戻して本格的にか

み砕く作業で、彼らはこれに要する時間がものすごく長いのです。

「ハチノジ」が座り込んでから、道路やいろいろな所から姿を確認

しようとしましたが、どこからも彼の姿は見えませんでした。

 「ハチノジ」の行動の変化だけでどうこう言えませんが、あちこ

ちの話しも総合すると、どうも、山を下りているのはサルだけでは

ないようです。再来年は21世紀ですが、人と野生動物の関係はひと

つの曲がり角にきている気がします。

 「共生」から「競合」には、変わって欲しくありませんが…。

 

 いそやまたかゆき

戻る